ハンドメイド帳簿の付け方|売上台帳・経費管理・原価計算表の記入例
ハンドメイド帳簿の付け方を、売上台帳・経費管理・原価計算表の3つで解説。販売日、売上、材料費、送料、手数料、入金額、利益まで、すぐ使える記入例とテンプレート項目で整理します。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -ハンドメイド帳簿は、売上台帳、経費管理、原価計算表の3つに分けると記入しやすい
- -まず記録するのは、販売日、作品名、売上、材料費、送料、手数料、入金額、利益の8項目
- -売上台帳の記入例では、1件の販売を1行にまとめると販売先別や作品別に見直しやすい
- -経費管理では、材料費、梱包資材、送料、販売手数料、出店料などを科目ごとに分ける
- -原価計算表と帳簿の作品名をそろえると、予定利益と実際の利益を比べて価格見直しに使える
- -無料テンプレートを作るなら、売上台帳、経費管理、原価計算表を同じスプレッドシート内で分けると続けやすい
ハンドメイド帳簿の付け方早見表
ハンドメイド帳簿の付け方で最初に迷いやすいのは、「何を、どこまで、どの表に書くか」です。
結論からいうと、売上台帳、経費管理、原価計算表の3つに分けると続けやすくなります。まずは記入例を早見表で確認しておきましょう。
| 表の種類 | すぐ見たい記入例 | 記録する内容 | 記入例 | 価格見直しで見るところ |
|---|---|---|---|---|
| 売上台帳 | 売上台帳の書き方 | 販売日、販売先、作品名、売上、送料、手数料、入金額、利益 | 8/3、minne、淡水パールピアスA、売上2,500円、送料185円、手数料250円、入金額2,250円、利益1,465円 | 売れているのに利益が少ない作品 |
| 経費管理 | 経費管理の例 | 材料、梱包資材、送料、出店料、交通費、販売手数料 | パール300円、金具200円、台紙80円、クリックポスト185円、販売手数料250円 | 毎月増えている費用、価格に入れ忘れている費用 |
| 原価計算表 | 原価計算表とのつなげ方 | 作品1点あたりの材料費、梱包費、制作時間、目標利益 | 材料費600円、梱包80円、送料185円、手数料250円、目標利益1,400円 | 販売価格に対して原価や手数料が高すぎないか |
無料テンプレートを作る場合も、最初から複雑な会計表にする必要はありません。売上、材料費、送料、手数料、入金額、利益の6項目が入力できれば、ハンドメイド売上台帳として使えます。
作品ごとの原価や販売価格の考え方を先に整理したい方は、ハンドメイド価格設定の基本も合わせて確認しておくと、帳簿の数字を価格見直しに戻しやすくなります。テンプレートに入れる材料費、作業時間、利益の考え方も整理しやすくなります。
自分の作品価格が材料費、送料、手数料を含めて無理のない設定になっているか確認したい方は、ねだんナビの価格診断ページで一度チェックしてみてください。
何を記録する?
ハンドメイド帳簿で最初に整理したいのは、売上、材料費、送料、手数料です。最初から完璧な会計ソフトのように作ろうとすると続きにくいので、まずはお金の動きが追える形を目指しましょう。
記録しておきたい基本項目は次の通りです。
- 販売日、販売先、作品名、販売価格
- 材料費、梱包資材費、制作数
- 送料、販売手数料、決済手数料
- 出店料、交通費、什器やPOPなどの販促費
- 入金日、実際に入金された金額
ポイントは、販売価格だけで終わらせないことです。
たとえば2,500円で売れた作品でも、材料費が600円、送料が250円、販売手数料が250円、梱包資材が80円かかっていれば、手元に残る金額は大きく変わります。さらに制作時間まで考えると、価格の見直しが必要な場合もあります。
ExcelやGoogleスプレッドシートで管理する場合は、販売日、販売先、作品名、売上、材料費、送料、手数料、入金額、利益を横に並べるだけでも、ハンドメイド帳簿として使えます。ねだんナビの価格診断と合わせて使う場合は、作品名、材料費、送料、手数料を同じ名前でそろえておくと、原価計算表と帳簿をつなげやすくなります。
売上台帳の書き方
ハンドメイド売上台帳では、1件の販売を1行で記録します。販売日、販売先、注文番号、作品名、販売価格、送料、販売手数料、決済手数料、材料費、梱包資材費、入金額、利益、メモを列にしておくと、あとから販売先別や作品別に集計できます。
| 日付 | 販売先 | 作品名 | 売上 | 材料費 | 送料 | 手数料 | 入金額 | 利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8/3 | minne | 淡水パールピアスA | 2,500 | 600 | 185 | 250 | 2,250 | 1,465 |
| 8/5 | イベント | 刺繍ブローチM | 3,200 | 900 | 0 | 0 | 3,200 | 2,300 |
| 8/8 | Creema | レジンヘアゴムS | 1,800 | 420 | 185 | 180 | 1,620 | 1,015 |
入金額と利益は同じではありません。入金額は販売価格から販売手数料などが引かれて口座に入る金額、利益はそこから材料費、送料、梱包資材費なども引いた金額です。
minne、Creema、BASE、イベント販売を併用している場合、販売先ごとに分けて見られるようにしておくと便利です。
同じ作品でも、ネット販売では販売手数料や送料設定が影響し、イベント販売では出店料や交通費、什器代が関わります。販売先をまとめてしまうと、どこで利益が出ているのかがぼやけます。
たとえばイベントでは、手に取りやすい価格の商品がきっかけになって、その場で利益率の高い作品も一緒に見てもらえることがあります。小さな商品はPOPで遠くからでも見えるようにしたり、ショップカードを取りやすい位置に置いたりする工夫も、売上につながる活動です。
こうしたPOP、袋、ショップカード、ディスプレイ用品は、単なる飾りではなく販売のための経費です。帳簿に残しておくことで、イベント後に「出店してよかったか」を感覚ではなく数字で振り返れます。
売上台帳に入力した数字を見て、作品価格が材料費、送料、手数料に対して無理のない設定になっているか確認したい方は、ねだんナビの価格診断ページでチェックできます。
経費管理の例
ハンドメイド経費管理では、販売や制作のために使った費用を分けて記録します。材料を買った日、使ったお店、内容、金額、経費科目、関連する作品名を残しておくと、確定申告前の集計と価格見直しの両方に使えます。
| 日付 | 内容 | 経費科目 | 関連作品 | 金額 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/1 | 淡水パール10個 | 仕入 | 淡水パールピアスA | 1,500 | 1点あたり300円 |
| 8/1 | ピアス金具5組 | 仕入 | 淡水パールピアスA | 1,000 | 1点あたり200円 |
| 8/2 | 台紙20枚 | 消耗品費 | 共通 | 1,600 | 1点あたり80円 |
| 8/3 | クリックポスト | 荷造運賃 | 淡水パールピアスA | 185 | 発送費 |
| 8/10 | イベント出店料 | 広告宣伝費 | イベント販売 | 5,000 | 8月マルシェ |
経費科目は、最初から完璧に細かく分けすぎなくても大丈夫です。材料費、梱包資材、送料、販売手数料、イベント費、撮影や販促に関わる費用が分かる形にしておくと、月末の見直しが楽になります。
ハンドメイド経費管理では、「これは経費にしていいのかな」と迷うものがよくあります。基本的には、販売や制作のために使った費用かどうかで考えます。
たとえば次のようなものは、事業に使っている部分を記録しておく候補になります。
- 材料、パーツ、布、糸、金具、塗料
- 梱包資材、台紙、ショップカード、ロゴ入り袋
- 撮影小物、背景紙、照明
- イベント出店料、交通費、什器、POP
- 販売サイトの手数料、決済手数料、振込手数料
- 送料、配送資材、宛名ラベル
- 広告費、SNSキャンペーン用のおまけ
帳簿や確定申告では、細かい品名だけでなく「どの経費科目に入れるか」も決めておくと後で集計しやすくなります。たとえば材料やパーツは仕入、梱包資材は荷造運賃や消耗品費、販売手数料や決済手数料は支払手数料、イベント出店料は広告宣伝費や販売促進費として整理することがあります。
送料込み価格にしている場合は、送料も価格の中から出ていくお金です。お客様にはわかりやすい一方で、作家側の利益は減ります。帳簿では、送料を「売上から差し引かれるもの」として別に記録しておくと、価格設定の見直しがしやすくなります。
また、複数のモールに出店している場合は、手数料率や入金サイクルがそれぞれ違います。あまり多くの販売先に広げすぎると、帳簿や在庫の管理が一気に複雑になります。商品数が少ないうちは、無理に広げず、管理できる範囲で販売先を選ぶことも大切です。
たとえば、SNSフォローのお礼として商品を1つおまけする場合、それも販売促進の一部です。どのキャンペーンで、何を、いくつ使ったのかを残しておくと、後から効果を振り返れます。
ただし、プライベートと共用しているものは、全額ではなく事業に使った分だけ考える必要があります。税務上の判断に迷う場合は、税理士や公的な相談窓口に確認するのが安心です。
原価計算表とのつなげ方
ハンドメイド原価計算表は、作品1点あたりの原価を確認するための表です。売上台帳が「実際に売れた記録」だとすると、原価計算表は「売る前に価格を考えるための記録」です。
| 作品名 | 材料費 | 梱包費 | 送料 | 手数料見込み | 制作時間 | 販売価格 | 目標利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 淡水パールピアスA | 600 | 80 | 185 | 250 | 40分 | 2,500 | 1,385 |
| 刺繍ブローチM | 900 | 100 | 0 | 0 | 90分 | 3,200 | 2,200 |
| レジンヘアゴムS | 420 | 70 | 185 | 180 | 35分 | 1,800 | 945 |
原価計算表に入れる数字は、あとで売上台帳と見比べられるようにしておくのが大切です。作品名や品番をそろえておけば、売れたあとに「予定していた利益」と「実際に残った利益」の差を確認できます。
価格の決め方そのものを見直したい場合は、ハンドメイド価格設定の基本で材料費、作業時間、利益の考え方を整理してから、帳簿に戻すと判断しやすくなります。
ハンドメイド原価計算表と帳簿は、同じものではありません。
原価計算表は、作品1点あたりの原価を出すための表です。布、金具、レジン、ビーズ、台紙、梱包資材などを細かく分けて、1点作るのにいくらかかったかを確認します。
一方で帳簿は、実際に買った材料や資材の支出を記録するものです。10個入りのパーツを買ったら、帳簿には購入金額を記録し、原価計算表では1個あたりの単価に分けて使います。
この2つをつなげるには、作品名や品番をそろえるのがおすすめです。
「淡水パールピアスA」「刺繍ブローチM」など、作品名が帳簿と原価計算表で一致していると、売れた後に利益を追いやすくなります。商品数が増えてきた場合は、作品ごとに管理番号をつけるとさらに楽になります。
原価計算表と帳簿を連携するときは、複雑な仕組みを作るより、同じ言葉で管理することを意識しましょう。
作品名、販売先、販売日、販売価格、1点あたり原価、送料、手数料、利益。このあたりがそろっていれば、確定申告の準備だけでなく、価格見直しにも使えます。
たとえば、原価計算表で「材料費が1点あたり780円」と出ている作品が、帳簿上では販売手数料や送料を引いたあとにあまり利益が残っていないとします。その場合、見直すべきなのは販売価格かもしれませんし、送料設定や販売先かもしれません。
また、利益率重視の商品と、知ってもらうきっかけになる手に取りやすい商品を分けて考えるのも有効です。すべての商品で同じ利益率を目指す必要はありません。ただし、入口商品ばかり増えると疲れてしまうので、帳簿で全体のバランスを見ることが大切です。
ここまで入力できている場合は、無料テンプレートに近い形として、売上台帳と原価計算表を同じスプレッドシート内で分けておくと管理しやすくなります。売上台帳には実際の販売結果、原価計算表には作品1点あたりの見込み原価を入れて、作品名や品番で照合できる形にしておきましょう。
ハンドメイド帳簿は税金のためだけではない
ハンドメイド販売を続けていると、売れた金額は覚えていても、材料費や送料、販売手数料まで含めた利益は意外と見えにくくなります。
minneやCreema、BASEでは売上データを確認できますが、それだけでは「この作品はいくら残ったのか」「次回の価格を上げるべきか」までは判断しづらいものです。
帳簿というと確定申告のための難しい作業に感じますが、ハンドメイド作家にとっては価格設定を守るための記録でもあります。
特に、ネット販売で売れない時期に焦って値下げしてしまうと、後から委託販売やイベント出店を始めたときに、手数料や出店料を吸収できなくなることがあります。帳簿で利益の残り方を見ておくと、「なんとなく安くする」前に立ち止まりやすくなります。
月1回の見直しで価格に戻す
帳簿は、毎日完璧に付けるよりも、月1回でも続けることが大事です。
月末に売上、材料費、送料、手数料、その他経費をまとめるだけでも、かなり見えるものが変わります。特に確認したいのは、売れているのに利益が少ない作品です。
「よく売れるから大丈夫」と思っていた作品でも、材料費が上がっていたり、梱包を丁寧にしたことで資材費が増えていたりすることがあります。イベント用にPOPや袋を整えた場合も、その費用が価格に反映できているかを見直したいところです。
月1回の見直しでは、次の流れにすると続けやすくなります。
- 販売先ごとの売上を確認する
- 材料費と梱包資材費を入力する
- 送料と手数料を分けて記録する
- 利益が少ない作品を確認する
- 原価計算表の単価を更新する
- 次回販売価格を見直す
値上げは勇気がいりますが、数字を見ながら考えると「なんとなく高くする」ではなく「続けるために必要な価格」として説明しやすくなります。
月末には、販売先ごとの売上、作品ごとの利益、送料と手数料の合計を確認します。関数に慣れている場合は、SUMIFやピボットテーブルを使うと、minne、Creema、イベント販売ごとの利益を見比べやすくなります。
無料テンプレートを作る場合も、最初から複雑にしすぎる必要はありません。売上、材料費、送料、手数料、利益の5つが入力できるだけで、価格見直しには十分役立ちます。
確定申告前に慌てないために
確定申告の時期にまとめて帳簿を作ろうとすると、レシートの内容を思い出せなかったり、販売サイトごとの手数料を探し直したりして時間がかかります。
できれば、レシートや領収書は月ごとに分け、ネット購入の明細も保存しておきましょう。スマホで撮影しておくだけでも、後から確認しやすくなります。
帳簿をつける目的は、きれいな表を作ることではありません。自分の制作と販売が、無理なく続けられる形になっているかを確認することです。
売上が増えているのに手元にお金が残らない。イベントでは忙しかったのに、出店料や交通費を引くと赤字だった。そうしたことに早めに気づければ、価格、販売先、商品構成を見直せます。
ハンドメイド帳簿は、確定申告のための記録であり、作家活動を続けるための地図でもあります。原価計算表と合わせて使えば、価格を決めるときの不安も少しずつ減らせます。
帳簿テンプレートに入力した数字を価格見直しにつなげたい方は、ハンドメイド価格設定の基本で材料費、作業時間、利益の考え方も確認しておくと、次回の販売価格を決めやすくなります。
自分の作品価格が材料費、送料、手数料を含めて無理のない設定になっているか確認したい方は、ねだんナビの価格診断ページで一度チェックしてみてください。
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