確定申告シーズン前に整理!ハンドメイド作家の経費と帳簿のつけ方
ハンドメイド作家が確定申告で困らないための経費整理と帳簿のつけ方を解説。材料費・送料・手数料・梱包材など特有の経費項目から、日々の記録を最小限の手間で続ける方法、申告が必要になる判断基準まで紹介します。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -ハンドメイド販売で経費になる項目を漏れなく把握できる
- -日々の帳簿を最小限の手間で続けるコツがわかる
- -確定申告が必要かどうかの判断基準を知れる
「ちゃんとやらなきゃ」と思いつつ後回しにしていませんか
ハンドメイド販売を続けていると、いつか向き合うことになるのが確定申告の問題です。「まだそんなに稼いでないし」「趣味の延長だから」と思っているうちに年末を迎え、慌ててレシートの山と格闘する。そんな経験をした作家さんは少なくありません。
この記事では、ハンドメイド作家に特有の経費項目を整理したうえで、日々の帳簿を無理なく続ける方法と、そもそも確定申告が必要になるラインについてまとめます。申告シーズンに入ってから焦るのではなく、今のうちに仕組みを作っておくことが目的です。
そもそも確定申告が必要になる基準
まず押さえておきたいのは、確定申告の要否は「売上」ではなく「所得」で判断するという点です。所得とは、売上から経費を引いた残りの金額のこと。つまり、経費をきちんと把握しているかどうかで、申告が必要かどうかの結論が変わる場合があります。
会社員やパートをしながらハンドメイド販売をしている方は、所得が年間20万円を超えると申告が必要です。ハンドメイドが本業(専業)の方は、基礎控除の48万円が一つの目安になります。
ここで大事なのは、経費を漏れなく計上すれば所得は下がるということ。「申告しなくていいかも」と判断する前に、まず経費を正しく整理する必要があります。
ハンドメイド作家が見落としやすい経費項目
材料費が経費になることは多くの方が認識していますが、実際にはそれ以外にもかなりの項目があります。以下はハンドメイド販売でよく発生する経費です。
- 材料費(生地、パーツ、レジン、接着剤、糸など)
- 道具・工具(ペンチ、はさみ、グルーガンなど。高額なものは減価償却の対象)
- 梱包資材(箱、緩衝材、OPP袋、テープ、ショップロゴ入りの袋)
- 送料(発送時の実費)
- 販売手数料(minne・Creema・BASEなど各プラットフォームの手数料)
- 決済手数料(クレジットカード決済手数料など)
- イベント出展費(ブース料、搬入費用、交通費)
- 撮影関連(背景紙、撮影ボックス、照明)
- 通信費(Wi-Fi、スマホ代の事業使用分)
- 外注費(ステッカーやショップカードの印刷を業者に依頼した場合など)
- 書籍・学習費(技法書、ワークショップ参加費)
ある作家さんは「商品を入れる袋にショップロゴを入れて、お客さんが持ち歩くことで宣伝にもなるし、帰ってからも思い出してもらえる」と話していました。こうしたブランディング目的の梱包資材も、事業のための支出であれば経費です。同様に、ショップカードの印刷費やSNS用の撮影小物も該当します。
また、すべてを手作りせずにステッカーなどを業者に発注するケースも増えていますが、この外注費も当然経費になります。
複数のプラットフォームに出店している場合、それぞれの手数料体系が異なるため、どこでいくら引かれているのか把握しきれていないこともあります。「管理が大変になるから出店先を絞る」という判断をする作家さんもいますが、出店を続ける場合には月ごとに手数料を集計しておくと、後から慌てずに済みます。
日々の帳簿を最小限の手間で続ける方法
帳簿と聞くと身構えてしまいますが、ハンドメイド作家に必要なのは「いつ、何に、いくら使ったか(もらったか)」の記録です。まずはこれだけ押さえれば問題ありません。
記録を続けるコツは、日常の動線に組み込むことです。
一つ目は、支払い手段をなるべく一本化すること。事業用のクレジットカードや電子マネーを決めておけば、明細がそのまま記録になります。現金払いが必要な場面(イベント出展時の交通費など)だけレシートを保管すれば、管理の手間はかなり減ります。
二つ目は、レシートを「その日のうちにスマホで撮る」習慣をつけること。紙のまま溜め込むと紛失や劣化のリスクがあります。撮影した画像をGoogleドライブなどに月別フォルダで保存しておけば、確定申告時に探し回る必要がなくなります。
三つ目は、記帳ツールを使うこと。freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動取得してくれます。月に一度、未分類の取引を経費項目に振り分けるだけで帳簿が完成します。無料プランでも個人の副業レベルなら十分使えるものが多いです。
白色申告と青色申告、どちらを選ぶか
確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。
白色申告は事前届出が不要で、帳簿も簡易的なもので済みます。「まだ売上が小さい」「とりあえず初めて申告する」という段階なら、白色申告から始めるのが現実的です。
一方、青色申告は事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要がありますが、最大65万円の特別控除を受けられるという大きなメリットがあります。年間所得が大きくなってきたら、切り替えを検討する価値は十分あります。
どちらを選ぶにしても、日々の記録を残す習慣があれば対応できます。「今年こそちゃんとやろう」と毎年思う方は、まず月に一度、30分だけ経費の整理に充てる時間を決めてみてください。
経費の把握は価格設定にも直結する
経費の記録は確定申告のためだけでなく、自分の作品の利益構造を理解するためにも役立ちます。
材料費は把握していても、手数料・送料・梱包材まで含めた「1点あたりの実質コスト」を計算し���ことがない作家さんは意外と多いです。ある作家さんは「ネットショップで売れないからと安くしてしまったら、委託販売の手数料で利益がほとんど残らなかった」と振り返っていました。こうした失敗は、経費の全体像を把握していれば防げるものです。
帳簿をつける習慣は、適正な価格設定の土台にもなります。自分の作品にかかっているコストを数字で把握したうえで価格を考えたい方は、ねだんナビの価格診断も活用してみてください。
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