ハンドメイド帳簿を1枚で管理する方法
ハンドメイド販売の売上、経費、原価を1枚で管理する帳簿テンプレートの作り方を解説。minne・Creema・BASEの記録項目も整理します。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -売上、経費、原価を1枚の帳簿にまとめると、利益の見落としを減らせます
- -minne、Creema、BASEでは手数料や送料の記録を分けると確定申告前に確認しやすくなります
- -帳簿は価格設定の見直しにも使えるため、月1回の振り返りがおすすめです
ハンドメイド帳簿は「1枚」にまとめると続けやすい
ハンドメイド販売を続けていると、売上、材料費、送料、販売手数料、イベント出店料、梱包資材など、記録するものが少しずつ増えていきます。
minneやCreemaの注文履歴、BASEの売上画面、レシート、銀行明細をあとから見返せば何とかなると思っていても、確定申告前にまとめて確認するのはかなり大変です。
特にハンドメイド作家さんの場合、売上の管理だけでは足りません。作品ごとの原価、販売チャネルごとの手数料、イベントで使った備品代まで含めて見ないと、本当に利益が残っているかが分かりにくいからです。
そこでおすすめなのが、売上、経費、原価を1枚の帳簿で管理する方法です。会計ソフトのように完璧な形を最初から目指すより、まずは毎月見返せる表を作ること。これだけでも価格設定の判断がしやすくなります。
1枚帳簿に入れたい基本項目
帳簿は複雑にしすぎると続きません。最初は「いつ、どこで、何が売れて、いくら残ったか」が分かる形にするのが現実的です。
スプレッドシートやExcelで作る場合は、1行を1取引として管理します。作品が1点売れたら1行、イベントでまとめて売れた場合は商品ごと、またはイベント1日分でまとめて記録しても構いません。
入れておきたい項目は次の通りです。
- 日付
- 販売先
- 商品名
- 販売価格
- 送料受取額
- 販売手数料
- 決済手数料
- 送料実費
- 梱包費
- 材料原価
- その他経費
- 利益
- メモ
販売先には、minne、Creema、BASE、イベント、委託販売などを入れます。あとから販売チャネル別に見返せるようにしておくと、「BASEでは利益が残りやすい」「イベントは売上は大きいけれど出店料も重い」といった傾向が見えてきます。
売上管理は「入金額」だけで見ない
ハンドメイド売上管理でよくある落とし穴は、入金額だけを売上として見てしまうことです。
たとえば3,000円のアクセサリーが売れても、販売手数料、決済手数料、送料、梱包費、材料費を引くと、手元に残る金額は大きく変わります。さらにイベント販売なら、出店料や交通費、ディスプレイ用品の費用も関係します。
帳簿では、販売価格と手元に残った利益を分けて記録しましょう。売上が増えているのにお金が残らない場合、価格が低すぎるのか、送料や梱包費を吸収しすぎているのか、手数料の高い販売先に偏っているのかを見つけやすくなります。
ネットショップで売れない時期に価格を下げたくなることもありますが、安くしすぎると後から委託販売やイベント出店を始めたときに苦しくなります。委託販売では手数料が上乗せされるため、ネット販売価格の時点で利益が薄いと、販売先を増やすほど利益が削られてしまいます。
経費と原価は分けて考える
ハンドメイドの帳簿では、経費と原価を混ぜすぎないことも大切です。
原価は、作品を作るために直接使った材料やパーツの費用です。アクセサリーなら金具、ビーズ、レジン液、台紙などが該当します。経費は、販売活動全体にかかる費用です。出店料、什器、撮影小物、送料、梱包資材、ショップカード、広告費などが入ります。
どちらもお金が出ていくものですが、見直すポイントが違います。原価が高い場合は、価格に対して材料を使いすぎていないか、仕入れ単位を変えられないかを確認します。経費が高い場合は、販売先や販促方法を見直します。
イベント出店では、目立つポップやショップカード、ロゴ入りの袋なども経費になります。これらは単なる支出ではなく、ブースに立ち寄ってもらったり、購入後に思い出してもらったりするための販促費でもあります。帳簿のメモ欄に「イベント用ポップ」「ショップカード再印刷」のように残しておくと、あとから効果を振り返りやすくなります。
テンプレートはこの形から始める
1枚帳簿のテンプレートは、難しい会計用語よりも自分が見返して分かる言葉で作る方が続きます。最初は次のような列構成で十分です。
- A列: 日付
- B列: 販売先
- C列: 商品名
- D列: 販売価格
- E列: 送料受取額
- F列: 手数料
- G列: 送料実費
- H列: 梱包費
- I列: 材料原価
- J列: その他経費
- K列: 利益
- L列: メモ
利益の列は、次の考え方で計算します。
販売価格 + 送料受取額 - 手数料 - 送料実費 - 梱包費 - 材料原価 - その他経費
送料をお客様から受け取っている場合は、売上側にも送料受取額を入れます。一方で、実際に支払った送料は送料実費に入れます。この差額を分けて見ることで、送料設定が赤字になっていないか確認できます。
材料費は、作品ごとに正確に出せるのが理想です。ただ、最初から1円単位で完璧にしようとすると止まりやすいので、よく使うパーツは1個あたりの目安単価を決めておくと入力が楽になります。
minne・Creema・BASEで見るべき項目
minne、Creema、BASEでは、それぞれ管理画面で確認できる項目が少しずつ違います。帳簿に転記するときは、売上金額だけでなく手数料と振込額を確認しましょう。
販売手数料や決済手数料は、価格設定に直接影響します。同じ3,000円の商品でも、販売先によって手元に残る金額が変わるためです。
また、複数のモールに出店しすぎると、注文、在庫、発送、帳簿の管理が一気に複雑になります。商品数が多い場合は在庫管理システムを使う選択肢もありますが、まだ点数が少ないうちは、販売先を増やしすぎず、帳簿を更新できる範囲に収めるのも大切です。
帳簿の販売先列をきちんと入れておけば、月末にフィルターをかけるだけで、どの販売先が利益につながっているか確認できます。売上件数だけで判断せず、利益額で見る習慣をつけると、無理な値下げを避けやすくなります。
イベント販売は「その日だけの経費」も残す
マルシェやハンドメイドイベントでは、現金売上やQR決済の記録がネット販売より曖昧になりやすいです。イベント当日は接客、補充、作家同士のやりとりで忙しく、帰宅後に何がいくら売れたか思い出すのが難しいこともあります。
イベント用の帳簿では、販売した商品だけでなく、その日にかかった経費も同じシートに残しておきましょう。出店料、交通費、駐車場代、什器、ポップ、袋、ショップカードなどです。
また、どんな並べ方で人が立ち止まったか、SNSフォロー特典を付けたか、ショップカードがどれくらい減ったかもメモ欄に残しておくと、次回の改善に使えます。遠くから見ても商品が分かるブースは立ち寄られやすく、小さい商品はポップで見えやすくする工夫が必要です。こうした工夫にかかった費用も、売上との関係で見返すと判断材料になります。
月1回の振り返りで価格設定に戻す
帳簿は確定申告のためだけに作るものではありません。むしろ、毎月の価格設定を見直すための材料になります。
月末に見るポイントはシンプルです。
- 利益が残っている商品はどれか
- 原価が高くなりすぎている商品はどれか
- 送料や梱包費で赤字になっていないか
- 手数料を引いた後の利益率はどれくらいか
- イベントやネット販売ごとの利益に差があるか
利益率重視の商品と、知ってもらうきっかけになる手に取りやすい商品を分けて用意している場合も、帳簿でそれぞれの役割を確認できます。入口商品ばかり売れて利益が残っていないなら、セット販売や上位価格の商品を見せる工夫が必要かもしれません。
逆に、利益率の高い商品が少しずつ売れているなら、写真や説明文、イベントでの見せ方を整えることで伸ばせる可能性があります。帳簿は数字だけでなく、次に何を改善するかを考える地図になります。
完璧よりも「毎週5分」で続ける
ハンドメイド帳簿は、完璧に作るよりも続けることが大切です。レシートをまとめて入力する日を決める、発送後にそのまま1行だけ記録する、イベント翌日に売上と経費を入力するなど、自分の制作リズムに合わせて習慣化しましょう。
最初から会計ソフトのような細かさを目指さなくても、販売価格、手数料、送料、梱包費、材料原価、利益が見えるだけで判断はかなり変わります。
価格を上げるべきか、送料を見直すべきか、イベント出店を続けるべきか。感覚だけで悩むより、1枚の帳簿に残した数字を見ながら考える方が、作家活動を続けやすくなります。
自分の作品価格が原価や手数料に対して合っているか確認したいときは、ねだんナビの価格診断ページで一度シミュレーションしてみると、帳簿の数字を価格設定に活かしやすくなります。
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