ハンドメイドが"しんどい世界"にならないために——今、価格について考えるとき
材料費高騰や安売り競争で疲弊するハンドメイド作家へ。適切な価格設定が、作家自身とハンドメイド文化を守る第一歩になる理由を解説します。
最近、ハンドメイド界隈でよく耳にする声があります。
「材料費が高くなって、赤字スレスレ…」 「前よりも丁寧に作ってるのに、値段は据え置き」 「安くしないと売れない。でも、それじゃ続けられない」
このままでは、ハンドメイドという文化そのものが、疲弊してしまうのでは? そんな危機感すら感じています。
材料費も送料も、確実に上がっている
たとえば、革・布・レジン・金具など、作品に欠かせない材料。 多くが海外からの輸入で、円安の影響を大きく受けています。
数年前と比べて、同じ材料を仕入れるだけで1.5〜2倍のコストがかかることも珍しくありません。 加えて、送料や梱包材の価格も上昇中。
「たった数百円の値上げ」でも、心理的ハードルは高い。 でも実際には、据え置きのほうが"危険"になってきているのです。
「価格に転嫁できない」現実とジレンマ
材料費が上がったからといって、すぐに値段に反映できる作家さんは多くありません。 なぜなら、相場より高いと「売れないかもしれない」という不安があるからです。
また、SNSでは「〇〇円で買えた!」「安いのにクオリティ高すぎ!」といった声がバズりやすく、 "安くていいもの"がスタンダードになりつつあります。
結果、真面目な作家さんほど、 「もっと頑張らなきゃ」「これくらいで高いと思われたくない」 と、自分をすり減らしながら値段を抑えてしまう——。
それが、今のハンドメイド界の"静かな危機"です。
「趣味だから」と自分を納得させる前に
もちろん、「趣味だから赤字でもいい」「売れたら嬉しいだけで十分」という考えもあります。 それ自体を否定するつもりはありません。
でも、少しでも「続けたい」「認めてほしい」「生活の足しになれば」と思っているなら、 やはり"価格"と向き合うことは避けて通れません。
適切な価格がついていなければ、いずれ疲弊します。 安売りは、心をすり減らします。 そして、そうして離れていった作家さんの数は、決して少なくないのです。
「高い」と言われるのが怖い。でも…
「ちょっと高くない?」 「〇〇円なら欲しかったな〜」
そんな言葉をかけられたことがある作家さんは、多いのではないでしょうか。
その一言に、すごく傷つくんです。 でも同時に、「その価格じゃなきゃ、自分が続けられないんだ」と 強く言える"根拠"や"自信"があれば、心のダメージは減らせます。
だからこそ、今こそ「価格の見直し」が大事なのです。
ハンドメイドが"続けられる世界"であるために
文化としてのハンドメイドを守るには、 作家さん一人ひとりが「ちゃんと価格を考える」ことが必要です。
それは、ただ"高く売る"という話ではありません。 「自分にとって無理のない価格か」 「材料や手間がちゃんと反映されているか」 「この値段で、心から"ありがとう"と言えるか」
——そうやって、自分に正直な価格を決めること。 それが、結果として"健全なハンドメイド界"を育てていく第一歩になるのだと思います。
適切な価格を知ることは、守ること
ねだんナビというツールを作ったのも、 まさにこの「静かな危機」に対して、できることがないかと思ったからです。
相場を知る。 適切な価格帯を把握する。 売れている作品と、自分の作品を比べてみる。
それは、価格で迷い続ける時間を減らし、 作る時間や届ける時間に集中するための「武器」になります。
「安くしすぎて疲れた…」をこれ以上、増やさないために
これからも、ハンドメイドという文化が続いていくために。 そして、作家さんたちが無理せず、長く活動を続けていけるように。
価格の話は、避けたくなるけれど、本当はとても大切なことです。 「ちゃんと考えること」から、未来は変わっていきます。
あなたの作品が、あなたの気持ちが、ちゃんと報われる世界を目指して——。
そのために、私たちができることを、これからも考えていきたいと思います。
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