Etsyで海外販売を始める前に
Etsyでハンドメイド作品を海外販売する前に知りたい手数料、為替、国際発送、英語表記の基本を価格設定の視点から整理します。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -Etsyは海外のお客様に届きやすい一方で、出品料・取引手数料・決済手数料を前提に価格を組む必要がある
- -国際発送は小形包装物、EMS、国際eパケットなどの特徴を理解し、送料と追跡の有無を決めておく
- -英語の商品名や説明文は難しい表現よりも、素材・サイズ・用途・注意点が伝わることを優先する
Etsyは「海外に広げる場所」だけれど、価格は作り直す前提で
minne、Creema、BASEで販売に慣れてくると、「海外のお客様にも届けてみたい」と感じる瞬間があります。特にアクセサリー、刺繍小物、紙もの、ぬいぐるみ、陶器、和柄アイテムなどは、Etsyでも相性のよいジャンルです。
ただ、Etsyでの海外販売は、日本国内のネットショップに商品を追加する感覚とは少し違います。言語、通貨、発送方法、手数料、到着までの日数が変わるため、価格設定もそのままではなく、海外販売用に見直す必要があります。
国内イベントでは「遠くから見ても何の商品かわかること」が大事だと感じている作家さんも多いはずです。Etsyでも同じで、検索結果の小さなサムネイル、英語の商品名、最初の数行の説明文で、作品の魅力が伝わらなければクリックされません。
この記事では、Etsy ハンドメイド販売を始める前に知っておきたい手数料、発送、英語表記の基本を、価格設定の視点から整理します。
Etsyでかかる主な手数料
Etsy 手数料は変更されることがあるため、出店前には必ず最新の公式情報を確認したいところです。そのうえで、価格を考えるときに意識したい費用は大きく分けて次のようなものです。
- 出品料
- 取引手数料
- 決済手数料
- 為替換算に関わるコスト
- 広告を使う場合の広告費
- 返金や再発送が発生したときの負担
Etsyでは、商品を1点出品するごとに出品料がかかります。売れたときには販売価格や送料に対して取引手数料がかかり、決済にも手数料が発生します。
ここで注意したいのは、「作品価格だけ」ではなく「送料を含めた全体」に手数料がかかる場合があることです。たとえば、作品価格を低めにして送料を高めに設定しても、手数料の負担を完全に避けられるわけではありません。
国内販売で「ネットショップで売れないから少し安くしよう」と下げすぎると、あとで委託販売やイベント販売の手数料に苦しむことがあります。Etsyでも同じで、最初から海外販売に必要な費用を含めた価格にしておくほうが、長く続けやすくなります。
為替変動を価格に入れて考える
Etsyでは海外のお客様がドルやユーロなどで購入することが多く、日本円で受け取るまでに為替の影響を受けます。
たとえば、1ドル150円のつもりで価格を決めていたのに、入金時には1ドル140円になっていた場合、同じ販売価格でも日本円での売上は減ります。逆に円安のときは有利に見えることもありますが、材料の輸入価格や発送資材の値上がりが重なることもあります。
そのため、Etsy用の価格には少し余白を持たせることが大切です。ぎりぎりの利益で価格を組むと、為替、手数料、再発送、梱包のやり直しなどが起きたときに一気に赤字になりやすくなります。
価格を決めるときは、最低でも次の流れで考えると整理しやすくなります。
- 材料費を出す
- 制作時間に対する人件費を入れる
- 梱包資材費を入れる
- Etsyの手数料を見込む
- 海外発送の送料を確認する
- 為替変動分の余白を入れる
- 最後に利益が残るか確認する
「日本の価格に送料を足すだけ」ではなく、海外販売用の商品価格として一度組み直す感覚が必要です。
国際発送は「安さ」だけで選ばない
ハンドメイド 海外販売で迷いやすいのが発送方法です。日本郵便を使う場合、代表的な選択肢として小形包装物、EMS、国際eパケットなどがあります。
小形包装物は、比較的小さく軽い作品に向いています。アクセサリー、紙もの、小さな布小物などでは候補になります。ただし、追跡や補償の有無、国や時期による制限は確認が必要です。
EMSはスピードと安心感を重視したいときに向いています。送料は高くなりやすいものの、単価の高い作品、壊れやすい作品、ギフト需要のある作品では選びやすい方法です。
国際eパケットは、追跡を付けたい小型商品の発送で検討されることがあります。ただし、サービス内容や利用可否は国際情勢や郵便事情で変わることがあります。発送前に最新情報を確認してください。
ここで大切なのは、「送料が安いからこれにする」だけで決めないことです。海外発送では、到着までの日数が長くなったり、追跡がないことで問い合わせが増えたりすることがあります。お客様対応の時間も、見えにくいコストです。
送料込みにするか、別にするか
Etsyでは送料無料に見える商品が好まれる傾向があります。けれど、海外送料は国内送料より高く、国によって差も大きいため、何でも送料無料にすると利益が不安定になります。
送料込みにする場合は、主要な配送先を想定して平均送料を商品価格に含めます。価格が高く見える可能性はありますが、お客様には支払い総額がわかりやすくなります。
送料別にする場合は、作品価格を見せやすい一方で、購入直前に送料を見て離脱されることがあります。特に低単価の商品では、商品より送料のほうが高く見えてしまうこともあります。
作家さんによっては、利益率重視の商品と、知ってもらうきっかけになる手に取りやすい商品を分けていることがあります。Etsyでも、すべての商品を同じ考え方で出すより、軽くて送りやすい入口商品と、しっかり利益を取る主力商品を分けると設計しやすくなります。
英語の商品名は検索とわかりやすさを優先する
Etsyの商品名は、雰囲気のある英語にしようとしすぎるより、何の商品かが伝わることを優先します。
たとえば、日本語で「春待ちの耳飾り」と名付けている作品でも、英語タイトルでは次のように具体的にしたほうが検索されやすくなります。
- Sakura Pink Earrings
- Handmade Beaded Earrings
- Floral Dangle Earrings
- Japanese Style Gift
- Lightweight Earrings for Women
作品名の世界観は説明文や画像で伝えられます。タイトルでは、素材、色、形、用途、贈り物向けかどうかを入れると、お客様が見つけやすくなります。
これはマルシェのポップにも近い考え方です。小さい商品ほど、遠くから何かわかる表示があると立ち止まってもらいやすいもの。Etsyではその役割を、1枚目の写真と英語タイトルが担います。
説明文はシンプルな英語で十分
英語の説明文は、長く美しい文章よりも、購入前に知りたい情報が抜けていないことが大事です。
最低限入れたい内容は次の通りです。
- What it is
- Materials
- Size
- Color
- How to use
- Processing time
- Shipping method
- Care instructions
- Notes about handmade items
たとえば、次のような短い英語でも十分に伝わります。
This is a handmade beaded bracelet. Each item is made by hand, so there may be small differences. Please check the size before ordering. Colors may look slightly different depending on your screen.
難しい表現を使わなくても、「手作りなので個体差があります」「画面によって色が違って見えることがあります」「発送まで何日かかります」といった基本情報があるだけで、購入後のトラブルを減らせます。
英語が苦手な場合は、商品ごとに毎回ゼロから書くのではなく、素材、サイズ、発送、注意点のテンプレートを作っておくと運用しやすくなります。
写真と同梱物も海外向けに整える
海外のお客様にとって、写真は購入判断の大きな材料です。サイズ感が伝わる写真、着用写真、手に持った写真、パッケージ写真があると安心されやすくなります。
また、商品を入れる袋にロゴやショップ名を入れると、国内イベントと同じように記憶に残りやすくなります。海外発送では、開封した瞬間の印象もレビューにつながります。
ショップカードを入れる場合は、日本語だけでなく、短い英語のメッセージやSNSアカウントを載せておくと親切です。長文でなくても、Thank you for your order. の一文があるだけで、手作りの温度感は伝わります。
ただし、同梱物を増やしすぎると重量が上がり、送料に影響します。カード、台紙、箱、緩衝材の重さも、価格設定の中に入れておきたい項目です。
出店モールを増やしすぎないことも戦略
Etsyを始めると、国内ショップ、イベント、委託販売、SNS、在庫管理が一気に複雑になります。
すでにminne、Creema、BASEで販売している場合、Etsyを追加することで在庫数の更新漏れが起きるかもしれません。商品数が多い作家さんなら在庫管理システムを検討するのも手ですが、まだ商品数が少ない段階では、まず管理できる範囲で始めるほうが現実的です。
海外販売は、すぐに大きな売上を作るというより、作品を見つけてもらう場所を増やす取り組みです。だからこそ、価格を低くして無理に売るより、手数料や発送の負担を含めても続けられる形を作ることが大切です。
初出店前に確認したいこと
Etsyに出す前に、まずは数点だけ海外販売向きの商品を選ぶのがおすすめです。軽い、壊れにくい、説明しやすい、サイズ違いが少ない商品から始めると、発送や英語対応に慣れやすくなります。
出店前には次の項目を確認しておきましょう。
- 海外販売用の価格になっているか
- Etsy手数料を入れても利益が残るか
- 送料と梱包資材費を見込んでいるか
- 為替変動の余白があるか
- 追跡の有無を説明できるか
- 英語の商品名で何の商品かわかるか
- サイズ、素材、発送日数を英語で書いているか
- 返品やキャンセルの方針を決めているか
最初から完璧に整える必要はありません。ただ、価格だけは後から大きく直すほどお客様に説明しづらくなるため、始める前にしっかり計算しておきたい部分です。
Etsyは「高く売る場所」ではなく「必要な費用を入れて売る場所」
海外のお客様に販売できると、作品の可能性が広がります。日本らしい素材、丁寧な仕立て、小さなこだわりが、国内とは違う角度で評価されることもあります。
一方で、Etsyには手数料、為替、国際送料、英語対応、問い合わせ対応という国内販売とは違うコストがあります。だからこそ、「海外なら高く売れるかも」ではなく、「海外に届けるために必要な費用を入れて、無理なく続けられる価格にする」という考え方が大切です。
Etsyに出す前に販売価格の利益が残るか確認したい方は、ねだんナビの価格診断ページで、材料費や制作時間を入れながら見直してみてください。
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