委託販売の手数料相場と利益計算
ハンドメイド委託販売の手数料30%・40%・50%で、作家の手元にいくら残るかを計算。minne・Creema・BASE販売作家向けに価格の見直し方も解説します。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -委託販売の手数料は30%から50%程度で、率が上がるほど手元に残る金額は大きく変わる
- -ネット販売で安くしすぎた価格のまま委託に出すと、利益がほとんど残らないことがある
- -委託販売では販売価格だけでなく、原価・包装費・納品の手間・在庫回転まで含めて考える
委託販売は「売上」より「手元に残る金額」で見る
ハンドメイド作品を委託販売に出すとき、最初に気になるのが手数料です。
「30%なら普通?」 「40%は高い?」 「50%だと利益が出ないのでは?」
minne・Creema・BASEなどで販売している作家さんにとって、委託販売は新しいお客様に作品を見てもらえる大きな機会です。実店舗に作品が並ぶことで、ネットでは届かなかった層に知ってもらえることもあります。
ただし、委託販売は売れた金額がそのまま入ってくるわけではありません。販売価格から手数料が引かれ、さらに材料費、梱包資材、納品にかかる交通費や送料、制作時間もあります。
この記事では、委託販売の手数料相場としてよく見かける30%・40%・50%を例に、作家の手元に残る金額をシミュレーションします。契約条件そのものよりも、「この価格で本当に続けられるか」を判断するための利益計算に重点を置いて見ていきます。
委託販売の手数料相場は30%から50%が多い
ハンドメイド委託販売の手数料は、ざっくり見ると30%から50%程度に収まることが多いです。
30%は比較的作家側の取り分が大きく、40%はよくある中間帯、50%は店舗側の取り分も大きい条件です。もちろん、どれが正解というより、店舗がどこまで販売を担ってくれるかで見方が変わります。
たとえば、駅近の店舗で人通りが多く、接客やSNS紹介、ディスプレイまで丁寧にしてくれる場合、手数料が高めでも意味があります。一方で、ただ棚に置くだけで販促は作家任せという場合は、同じ40%でも重く感じるかもしれません。
手数料率を見るときは、次のような点も一緒に確認しておくと判断しやすくなります。
- 販売価格は作家が自由に決められるか
- 納品数や最低契約期間はあるか
- 棚代や登録料が別にかかるか
- 売れ残り品の返送費は誰が負担するか
- 店舗側がSNS投稿や接客で作品を紹介してくれるか
手数料だけを見て「高い」「安い」と決めるより、利益と販売機会をセットで見ることが大切です。
3,000円の商品で手元に残る金額
まずは販売価格3,000円の作品を例に、手数料だけを引いた金額を見てみます。
手数料30%の場合、店舗に支払う金額は900円です。作家の手元に残る売上は2,100円です。
手数料40%の場合、店舗に支払う金額は1,200円です。作家の手元に残る売上は1,800円です。
手数料50%の場合、店舗に支払う金額は1,500円です。作家の手元に残る売上は1,500円です。
ここだけ見ると、30%と50%では600円の差です。1点だけなら「まあ仕方ない」と思えるかもしれません。
でも、10点売れたら差は6,000円。30点売れたら18,000円です。委託販売は「たくさん売れたのに、思ったより残らない」という感覚になりやすいので、最初に複数個で計算しておくのがおすすめです。
原価を入れると利益はさらに変わる
次に、材料費や梱包資材などの原価を入れて考えます。
たとえば3,000円で販売するアクセサリーの原価が900円だとします。台紙、OPP袋、ショップカード、納品時のタグなども含めた金額です。
手数料30%なら、手元に残る売上2,100円から原価900円を引いて、利益は1,200円です。
手数料40%なら、手元に残る売上1,800円から原価900円を引いて、利益は900円です。
手数料50%なら、手元に残る売上1,500円から原価900円を引いて、利益は600円です。
同じ3,000円の商品でも、手数料率が変わるだけで利益は半分になります。ここに制作時間、納品作業、在庫管理、売上確認の手間まで含めると、50%の委託では「売れているのに忙しいだけ」という状態になることもあります。
特に、ネットショップで売れないからと安く設定した価格を、そのまま委託販売に持ち込むのは注意が必要です。minneやCreemaではなんとか利益が出ていた価格でも、委託手数料が加わると一気に苦しくなることがあります。
価格別の利益シミュレーション
販売価格が変わると、手元に残る金額も変わります。ここでは原価率をいったん考えず、手数料を引いた後の金額だけを見てみます。
1,500円の商品なら、手数料30%で1,050円、40%で900円、50%で750円が手元に残ります。
3,000円の商品なら、手数料30%で2,100円、40%で1,800円、50%で1,500円です。
5,000円の商品なら、手数料30%で3,500円、40%で3,000円、50%で2,500円です。
8,000円の商品なら、手数料30%で5,600円、40%で4,800円、50%で4,000円です。
低価格の商品ほど、手数料と原価の影響を受けやすくなります。たとえば1,500円の商品で原価が600円かかっている場合、手数料50%では利益が150円しか残りません。
逆に、高単価の商品は1点あたりの利益を残しやすいですが、売れるまでに時間がかかることもあります。委託販売では「手に取りやすい商品」と「利益率を支える商品」を分けて考えると、全体のバランスが取りやすくなります。
作家さんの中には、ステッカーや小さな雑貨のような入口商品を用意しつつ、本命のアクセサリーや布小物で利益を作る方もいます。すべてを同じ役割の商品として考えないことが、委託販売では大事です。
委託販売用の価格はネット価格と同じでいい?
minne・Creema・BASEで販売している作家さんは、委託販売でも同じ価格にするか悩むことがあります。
結論から言うと、同じ価格にしてもよいですが、利益が残るかを先に確認する必要があります。
ネット販売では販売手数料や決済手数料、送料、梱包費がかかります。委託販売では送料負担が少ない代わりに、販売手数料が大きくなることがあります。つまり、同じ3,000円でも、ネット販売と委託販売では残る利益が違います。
ここで無理に価格をそろえようとすると、どちらかの販売チャネルで利益が薄くなります。
ただし、委託販売だけ高くしすぎると、SNSやショップカードからネットショップを見たお客様が価格差に気づくこともあります。価格差をつけるなら、セット内容、限定カラー、ラッピング込みなど、見え方に理由を持たせると自然です。
イベントやマルシェでの販売経験がある作家さんなら、ディスプレイで商品の見え方が大きく変わることを知っているはずです。遠くから見て何のブースか分かること、ポップやショップカードが手に取りやすいこと、袋にロゴが入っていて持ち帰った後も思い出してもらえること。委託販売でも、価格だけでなく「見つけてもらう工夫」が売上を左右します。
手数料50%でも検討できるケース
手数料50%と聞くと、かなり高く感じます。実際、原価が高い作品や制作時間が長い作品では、利益が残りにくい条件です。
それでも、すべての50%委託が悪いわけではありません。たとえば、店舗の集客力が強く、作品をきちんと説明して販売してくれる場合。自分では出会えない客層に届く場合。百貨店催事や企画展のように、ブランド認知につながる場合です。
この場合は、単純な利益だけでなく、次につながる効果も見ます。
ただし、「宣伝になるから」という理由だけで赤字を続けるのは危険です。宣伝目的の商品と利益目的の商品は分けて、どこまでなら許容できるかを数字で決めておきましょう。
たとえば、手数料50%の委託には原価の低い小物や量産しやすい商品を中心に出し、制作時間の長い一点物は別の販売方法にする。こうした分け方なら、無理なく試しやすくなります。
委託前に最低限計算したい数字
委託販売に申し込む前に、次の計算だけはしておくと安心です。
- 販売価格から委託手数料を引いた金額
- そこから材料費と包装費を引いた利益
- 1点作るのにかかる時間
- 10点売れたときの合計利益
- 売れ残った場合の返送費や再販売の手間
特に大事なのは、1点ではなく10点単位で見ることです。1点あたりの利益が300円でも、10点売れて3,000円。制作や納品にかかった時間を考えると、続けるのが難しいかもしれません。
一方で、1点あたりの利益が1,000円残る商品が月に10点売れれば、委託先としてかなり意味があります。感覚ではなく、数字にして比べると判断がぶれにくくなります。
委託販売は価格を育てる機会にもなる
委託販売は、単に商品を置いてもらう場所ではありません。お客様の反応を見たり、どの商品が手に取られやすいかを知ったりする機会にもなります。
自分が作りたいものだけでなく、自分や周りの誰かが本当にほしいものを作る。SNSやイベントで「どんな商品があったら嬉しいですか」と聞いてみる。キャンペーン応募フォームに簡単なアンケートを入れてみる。こうした小さな声が、委託販売で売れる商品づくりにつながります。
また、作家同士のつながりも意外と大切です。イベントや委託先で知り合った作家さんが、困ったときに助けてくれたり、お客様との会話のきっかけになったりすることがあります。
価格は一度決めたら終わりではありません。販売場所、手数料、原価、売れ方に合わせて見直していくものです。委託販売で利益が残りにくいと感じたら、価格が低すぎるのか、原価が高すぎるのか、販売する商品構成が合っていないのかを分けて考えてみましょう。
まとめ
委託販売の手数料相場は、ハンドメイドでは30%・40%・50%あたりがよく見られます。
30%なら作家の手元に残りやすく、40%は条件次第、50%は集客力や販促効果まで含めて慎重に判断したいラインです。
大切なのは、販売価格から手数料を引いて終わりにしないことです。材料費、包装費、制作時間、納品の手間、売れ残りリスクまで含めて、続けられる利益が残るかを見ます。
ネットショップで安くしすぎた価格のまま委託販売に出すと、思った以上に苦しくなることがあります。委託販売を始める前に、30%・40%・50%それぞれで利益を計算し、自分の作品に合う価格を確認しておきましょう。
委託販売でも無理なく利益が残る価格を知りたい方は、ねだんナビの価格診断ページで一度シミュレーションしてみてください。
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