ハンドメイド利益率の計算方法|送料込み
ハンドメイド販売で利益率を計算する基本式を、販売手数料や送料込みで解説。売れているのに利益が残らない原因を数字で確認できます。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -利益率は「利益 ÷ 売上」で計算する
- -販売手数料や送料を入れないと実際より利益が多く見える
- -送料無料やイベント販売では、価格の前提を分けて確認する
ハンドメイドの利益率は「売れた後」に見る数字
ハンドメイド販売では、「売上があるのに、なぜか手元にお金が残らない」と感じることがあります。
minneやCreema、BASEで注文が入ると嬉しいものですが、材料費、販売手数料、送料、梱包資材、振込手数料などを引いてみると、思ったより利益が少ないことがあります。
このとき確認したいのが利益率です。
利益率は、売上のうちどれくらいが利益として残ったかを見る数字です。感覚ではなく数字で見ることで、「価格が安すぎるのか」「送料設定が合っていないのか」「手数料の影響が大きいのか」が見えやすくなります。
特に送料込みで販売している場合、送料を入れ忘れると利益が大きく見えてしまいます。この記事では、ハンドメイド作品の利益率を送料込みで計算する方法を、具体例と一緒に整理します。
基本式は「利益 ÷ 売上 × 100」
まず、利益率の基本式は次の通りです。
利益率 = 利益 ÷ 売上 × 100
そして、利益は次のように計算します。
利益 = 売上 − 材料費 − 販売手数料 − 送料 − 梱包費 − その他経費
たとえば、アクセサリーを2,500円で販売した場合を考えてみます。
- 販売価格:2,500円
- 材料費:600円
- 販売手数料:250円
- 送料:185円
- 梱包費:80円
- その他経費:35円
この場合、利益は次のようになります。
2,500円 − 600円 − 250円 − 185円 − 80円 − 35円 = 1,350円
利益率は、
1,350円 ÷ 2,500円 × 100 = 54%
となります。
この数字だけ見ると、かなり良さそうに見えます。ただし、ここには制作時間の人件費や撮影、出品作業、発送作業の時間は含まれていません。利益率は大事な目安ですが、「自分の時間も含めて続けられる価格か」まで見ることが大切です。
送料込み販売では送料を必ず引く
送料込み、送料無料、送料作家負担。このような見せ方をしている場合、送料は販売価格の中に含まれています。
たとえば、2,000円で販売していて、送料185円を作家が負担しているなら、実質的には1,815円から材料費や手数料を払っているのと同じです。
よくある失敗は、「販売価格 − 材料費」だけで利益を見てしまうことです。
2,000円の商品で材料費が700円なら、ぱっと見では1,300円残るように感じます。でも実際には、販売手数料、送料、梱包費が引かれます。
たとえば次の条件で見てみます。
販売価格2,000円、材料費700円、販売手数料200円、送料185円、梱包費70円の場合、利益は845円です。
2,000円 − 700円 − 200円 − 185円 − 70円 = 845円
利益率は42.25%です。
材料費だけで見たときの感覚より、だいぶ低くなります。さらに制作に1時間かかっているなら、その845円が時間に対して見合うかも確認したいところです。
販売手数料は「売上から自動で引かれる費用」
minne、Creema、BASEなどの販売では、販売手数料がかかります。手数料は自動で引かれるため、つい「最初からなかったお金」のように感じやすいですが、利益計算では必ず費用として扱います。
販売手数料の考え方で注意したいのは、手数料の対象です。商品価格だけにかかる場合もあれば、送料を含めた注文金額にかかる場合もあります。さらに決済手数料やサービス利用料が別に発生するケースもあります。
正確に見るには、利用している販売サイトの管理画面で、実際の入金額や差し引かれた金額を確認するのが確実です。
最初は細かく完璧にしようとしなくても大丈夫です。まずは作品ごとに、販売価格、材料費、手数料、送料、梱包費を並べるだけでも、価格の見え方はかなり変わります。
「売れているのに残らない」原因はどこにある?
売上件数が増えているのに利益が残らないときは、どこかの費用が価格に対して重くなっている可能性があります。
特に見直したいのは次のような項目です。
- 送料込みにしているが、価格に送料分を入れていない
- クーポンや値引き後の価格で利益率を確認していない
- 梱包資材やショップカード代を計算に入れていない
- 小さな作品ほど手数料と送料の割合が大きくなっている
- ネット販売で安くしすぎて、委託販売やイベント販売に広げにくくなっている
作家さんの中には、「ネットショップで売れないから」と価格を下げたあと、委託販売やイベント販売を始めたときに手数料で苦しくなるケースがあります。
委託販売では販売手数料が高くなることもありますし、イベントでは出店料や交通費、什器代もかかります。ネット販売の価格をギリギリにしすぎると、販売場所を増やしたときに調整が難しくなります。
送料込みと送料別、どちらが利益を見やすい?
利益計算だけで見ると、送料別のほうが構造はわかりやすいです。商品価格と送料が分かれているため、「作品そのものの利益」を確認しやすくなります。
一方で、購入する側にとっては送料込みのほうが合計金額をイメージしやすく、買いやすい場合もあります。特に小さなアクセサリーやステッカー、布小物などは、送料が別で表示されると割高に感じられることがあります。
大切なのは、送料込みが良いか送料別が良いかを一度で決めることではありません。送料込みにするなら、送料分を価格に含めたうえで利益率を見ることです。
たとえば本来2,000円で売りたい作品に送料185円を含めるなら、価格を2,185円にするのか、2,200円に丸めるのか、2,300円にして梱包費も含めるのかを考えます。
「送料無料」と表示していても、送料は消えていません。誰が負担するかが変わるだけです。
イベント販売では利益率の見方を少し変える
マルシェやイベント販売では、送料はかからないことが多い一方で、出店料や交通費、什器、袋、ポップ、ショップカードなどの費用がかかります。
イベントでは、手に取りやすい価格の商品と、利益率をしっかり取る商品を分けて用意する考え方も役立ちます。
たとえば、小さなステッカーやチャームは知ってもらうきっかけにし、主力のアクセサリーやセット商品で利益を確保する。すべての商品に同じ利益率を求めるのではなく、役割を分けて見る方法です。
作家さんのリアルな工夫として、商品を入れる袋にロゴやショップ名を入れたり、ショップカードを手に取りやすい位置に置いたりする方法があります。これはその場の売上だけでなく、帰宅後に思い出してもらうための小さな宣伝になります。
ただし、袋やカードにも費用はかかります。1枚あたり数円でも、販売数が増えれば経費になります。イベント後に「売上 − 出店料 − 交通費 − 包装資材 − 材料費」でざっくり振り返るだけでも、次回の価格設定がしやすくなります。
利益率だけで価格を決めなくていい
利益率は大事ですが、利益率だけで価格を決めると、作品の魅力や販売戦略が見えにくくなることがあります。
たとえば、手に取りやすい商品は利益率が低くても、ショップを知ってもらう入口になります。一方で、時間をかけて作る一点物や人気の定番作品は、しっかり利益を残す価格にしたいところです。
また、「作りたいもの」だけでなく、自分や周りの誰かがほしいものを作る視点も大切です。SNSやイベントで「どんな色がほしいですか」「どんなサイズが使いやすいですか」と聞いてみると、価格を上げても選ばれる理由が見つかることがあります。
価格は、安くすれば売れるとは限りません。むしろ、安すぎることで作品の価値が伝わりにくくなることもあります。
利益率は、値上げをするための材料というより、「今の価格で続けられるか」を確認するための道具です。
まずは1作品だけ計算してみる
すべての商品を一気に計算しようとすると大変です。まずは、よく売れている作品を1つ選んで計算してみましょう。
確認する項目は、販売価格、材料費、販売手数料、送料、梱包費、その他経費です。
そこから利益と利益率を出します。もし利益率が思ったより低ければ、価格を上げるだけでなく、梱包方法、配送方法、セット販売、送料設定、クーポンの使い方を見直すこともできます。
小さな改善でも、毎月の販売数が増えるほど差が出ます。
ハンドメイド販売は、感覚や気持ちだけでは続けにくい場面があります。でも数字を見ることで、自分の作品を雑に安売りする必要がないことにも気づけます。
送料込みで販売している方は、まず送料と販売手数料を入れた利益率を確認してみてください。今の価格が続けられる価格かを確認したいときは、ねだんナビの価格診断ページで作品ごとの数字を整理できます。
関連記事

Creema販売手数料2026|送料と振込手数料
Creemaの販売手数料を送料・振込手数料まで含めて整理。minneとの違いを見ながら、ハンドメイド作家が利益を残す価格設定の考え方を解説します。

ハンドメイド原価率の目安は何%?利益率相場とジャンル別早見表
ハンドメイド原価率は30〜40%が目安。ただしアクセサリー・布小物・レジン別に変わります。原価率目安、利益率の計算式、価格を上げる判断基準を解説します。

minne販売手数料2026|手取り計算例
minneの販売手数料を作品価格・送料込みで整理し、ハンドメイド作家が手取りを見落とさないための計算例と価格設定の考え方を紹介します。
