マルシェで足を止めてもらうディスプレイの基本
マルシェで通りすがりのお客さんに足を止めてもらうための什器選び、高低差、色のまとめ方、価格表示のコツをハンドメイド作家向けに解説します。
この記事のポイント(読了 約8分)
- -遠くから「何のブースか」がわかる見せ方が最優先
- -高低差と色のトーン統一でブース全体に視線の流れを作る
- -価格表示は迷わせない位置と大きさで置く
通り過ぎる人と、立ち止まる人の差
マルシェに出ると、隣のブースにはお客さんが集まるのに、自分のブースの前は素通りされる。そんな経験はありませんか。
違いは、商品の良し悪しよりも「遠くから見てどう映っているか」にあります。お客さんは3メートル以上離れた場所から「何のブースかな」と判断し、足を止めるかどうかを決めています。近くに来てから商品を吟味するのは、その次のステップです。
つまりディスプレイの役割は、まず遠くに情報を届けること。そこから逆算して、什器の高さ、色、ポップ、価格表示を組み立てていきます。
遠くから「見える」ブースを作る高低差
平置きだけのブースは、数歩離れるとテーブルの天板に商品が沈んで見えません。これが「素通りされるブース」の最大の原因です。
解決策は、高さを3段階で作ること。
- 低い段(テーブル天板)に小物や手に取りやすい商品
- 中くらいの段(木箱やブックスタンドで10〜20cm上げる)にメイン商品
- 高い段(アイアンラックやウッドシェルフで30cm以上上げる)に看板や代表作
この三角形の構成があると、どの距離から見ても何かしらの商品と目が合う状態になります。特に小さなアクセサリーやステッカーなどは、ポップや台座で持ち上げて「遠くからでも存在がわかる」位置に置くのが鉄則です。
什器は揃いのシリーズで買う必要はありません。家にある木箱、無印の棚、100均のブックスタンドを白布で統一するだけでも、十分にまとまって見えます。
色は3色までにまとめる
ブースに並ぶ商品の色がバラバラだと、遠くからは「ごちゃごちゃした屋台」にしか見えません。お客さんは色の情報量が多すぎると処理を諦めて、視線を外してしまいます。
ブース全体の色は、ベースカラー1色・メインカラー1色・アクセントカラー1色の3色構成が目安です。
たとえば、白い布をベースに、木目の什器でメインカラーを作り、商品自体がアクセントになる配置。商品の色が鮮やかな作家さんほど、什器と布は彩度を落とした色でまとめると作品が引き立ちます。
季節感を出したいときは、アクセントカラーだけを変えるのが簡単です。春はミモザの黄色、夏は青いガラス瓶、秋はドライフラワー。什器ごと買い替える必要はありません。
価格表示は「聞かなくていい」状態を作る
ハンドメイドのブースで最も惜しいのが、価格が書かれていない、または商品から離れた場所にまとめて書かれているケースです。
お客さんの心理として、値段を声に出して聞くのはハードルが高い行為です。「高かったら気まずい」「断りづらい」と感じて、聞く前に離れてしまいます。
価格表示は次の3点を守るだけで、手に取られる確率が変わります。
- 商品のすぐ横、もしくは真下に置く
- 目線より少し下の角度で、しゃがまずに読める高さ
- 価格だけでなく「イヤリング金具に変更可」など一言メモを添える
ポップのサイズは名刺大が基本ですが、小さな商品が多い作家さんは、商品より目立つくらいの大きさでも構いません。遠くから「値札があるブース」とわかるだけで、入りやすさが変わります。
人が溜まりすぎない動線を設計する
ブースの前に人が2〜3人いると「何だろう」と気になって足を止める人が増えます。ただし4〜5人を超えると、今度は「見えないから諦めよう」と離れてしまいます。
この分岐点をコントロールするのが、ブース内の動線です。
テーブルの前に立ち止まる位置を左右に分散させる配置にすると、人が一箇所に固まりません。具体的には、テーブルの両端に目を引く商品を置き、中央には手に取って眺める系の商品を配置します。これだけで自然にお客さんが横に広がり、後ろから来た人もブース内を覗き込めます。
持ち帰ってもらう仕掛け
足を止めてもらったあと、その場で買わなかったお客さんにも「覚えて帰ってもらう」工夫をしておきます。
ショップカードは、お客さんが手を伸ばしやすい位置、できれば2箇所に置きます。会計カウンターと、商品の手前の取りやすい場所。配るときは「よかったらどうぞ」の一言を添えるだけで、受け取ってもらえる率が変わります。
ラッピング袋にロゴやショップ名を印刷しておくのも有効です。会場内を持ち歩いてもらうことで、歩く広告になります。SNSフォローで小さなおまけをつけるなど、次につながる導線もこのタイミングで仕込んでおきます。
最初の一歩は「3メートル離れて自分のブースを見る」
設営が終わったら、必ず3メートル離れて自分のブースを正面から見てください。スマホで写真を撮るとさらにわかりやすいです。
そこで「何のブースか一瞬でわからない」なら、高さ・色・価格表示のどれかが足りていません。一つずつ足していけば、通り過ぎる人を減らしていけます。
ディスプレイで足を止めてもらえるようになったら、次は価格そのものが納得感を持って受け入れられるかどうかです。自分の作品がマルシェ会場でどのくらいの価格帯に位置するか迷ったら、ねだんナビの価格診断で市場データと照らし合わせてみてください。
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